« 2007年6月 | トップページ | 2007年8月 »

2007/07/22

続・敗戦の意味するもの

たくさんのコメントを頂きました。熱く御礼申し上げます。個々にコメント返ししていくのが理想的なブログかもしれませんが、ご容赦下さい。
NHKのサイトにも書いた(総括として)が、勝つチャンスが一番あったのは間違いなく今回であったと思う。それは、米国が「どんなチームを作れば良いか模索中であった」ことに尽きる。決勝で例えば60-0みたいな試合をするチームを作れないこともないだろうが、IFAFの言うアマチュア・フットボールの普及の意図に、USA Footballも賛同しての参加であれば、その根源を揺らがすわけには行かない。いわゆるオトナの試合をする必要性が米国にはあった筈。そして、フタを開けてみて、手が届くところにいるチームと分かった以上、勝たねばならなかったのはJAPANだろう。むろん、米国は負けるワケにはいかないのだが。
それでも、勝負は何かの拍子に決してしまうことはあるのだから、そのチャンスをJAPANは、その都度、120%生かさねばならなかっただろう。それが監督の言う「ボールへの執着、勝利への執着」であり、試合前に選手全員で叫ぶ「集中力」なのだろう。評論家染みてしまうのはツライが、「あのプレイが」というシーンは多くあった。それらが、ことごとくJAPANの側に引きずり込めたら、ということに帰結してしまう。
そして、どうして引きずり込めなかったのか、という問いには、コメントを頂いているように、「それが米国のフットボーラーのアサイメントを越えた誇り」ではないかと思う。

一方で、この大会の意味するもの、米国が参加した意義、そのチームと戦ったJAPAN、などなどは、まだまだ国内では人気の低いスポーツが「この大会を起爆剤に」と思った取組みとして、大いにあったのだと思う。

コーチ・マコヴィックが試合後、つまり表彰式の最中に阿部監督に寄って来られた。監督の側にいた私が仲介する(コーチとは前夜祭であいさつし、「阿部監督に会いたい」とのメッセージも受け取っていたが果たせていないままだった)栄誉を得た。
コーチは「米国がやりたいことを、やらせてもらえなかった日本チームは、良く準備されていたし、良くコーチされていた素晴らしいチームだった。私は、阿部監督から、学ぶべき事柄があると感じた。この大会が、日本や米国のみならず、世界のフットボールの普及に役立つことを祈る」と仰った。その合間に、阿部監督からは「私も、早く会いたかった。わざわざ日本まで来て頂き、素晴らしい試合が出来たことに感謝する」と返答があった。

次の大会に米国が参加するとなれば、私は個人的には「メンバーは今回と同様のスタイルで、ポリシーを貫く」のではと思う。その代わりに、二週間と言われた事前準備のキャンプを、より長く、あるいは数回設けることで、チームとしての完成度を高める気がする。もっとも、広い国土を持つ米国で、いかに卒業生と言えども、それが容易な運営ではないことは、想像に難くない。

むしろJAPANが、それまでの間に、いかに強化していけるかが課題だろう。突然、カラダが大きくはならないが、03年からでも輿はJAPANの体格向上は認識している。それを敏捷性を保ちながら、スピードアップも果たしていくことは可能だろう。
そして何より、武者修行としての国際試合を、ぜひ毎年経験することで「カラダで感じる世界」が、JAPANの心身からの強化に繋がると信じている。

| | コメント (7) | トラックバック (1)

2007/07/18

敗戦の意味するもの

JAPAN三連覇ならず!という記事が、16日の多くの紙面に載った。その論調には、二つのスタイルがあったように思う。
(1)米国のトップでもないチームに勝てなかったJAPANは、勝つべきチャンスを逃した。
    これで大丈夫か?
(2)米国のトップとは言えないチームだが、日本がここまで肉薄した試合を展開できたこと
    は、胸を張るべき。日本の力を知らしめるチャンスになった。

確かに米国代表は、既報の通り「米国のトップチーム」とは言えない。しかしIFAFが世界のアマチュア・フットボールの発展を目指す団体である以上、出場選手にプロは無い。
では、NCAAのエリートチームから選りすぐることが、本当にトップチームだろうか?
これまた既報(4月末の会議の報告)の通り「米国中のあらゆるレベルのカレッジから推薦をもらうことでチームを作った。若年層のフットボーラーにとって、米国代表チームへのパス(道すじ)が見えることに意義がある」とUSA Footballは、自らのポリシーを定めた。
しかるに、USA Footballが考える最強のチームであっただろうと思う。ただし、準備期間については、議論の余地がある。

米国代表が上述のような事情で作ってきたチームは、ある意味で「加減を探る」チームであったことも認めざるをえない。そういうチームだからこそ、JAPANが勝つチャンスはあった。体格差・重量差は歴然であっても、JAPANが狙っていたチームとしての一体感、周到な準備、それを実行する集中力、精度の高いプレイ、はいずれも見事に実現されたと思う。
その証拠に、いきなりのインターセプションを食らい、あるべき試合展開では無かったにも拘らず、そのビハインドを前半は10-7とリードして折り返した。
確かに最後の同点にされた米国代表のシリーズは、彼らの執念・集中力が、それまでの守備で疲弊しつつあったJAPANの守備を蝕んだ印象はあった。しかし、それでも同点であり、タイブレイクはゼロリセットだ。
勝負である以上、どこかで決着は付かねばならない。それが、二回目のタイブレイクでの金親のFGキックを、米国代表がチップして方向を変えたことで、決着してしまった。

もともとのワールドカップ開催の狙いは「国内のフットボールの起爆剤にすること」であった。敗れたものの、欧州勢とは「力の差を見せつけた」(阿部監督)結果となり、米国に挑戦する権利が与えられた、そういうレベルのJAPANであることが、多くのメディアで伝えられた(これまでのアメリカンフットボールの報道では考えられない量・頻度だったし、それは過去二回のワールドカップ報道でもサッパリだったのだから)ことに価値があると思う。

JAPANの一員として受け入れ難い敗戦であったし、まだアタマ、気持ちの整理が付いたとは言えないが、一つの考察として、拙文を記してみた。

| | コメント (6) | トラックバック (1)

2007/07/14

米国チーム

米国チームは、USA Footballという、米国のアマチュアフットボール全体を統括する新しい組織(2002年末に発足)が編成している。たしか高校生フットボーラーが15万人と日本の30倍のベースがあり、その殆どの選手は、大学ではフットボールがプレイできない。USA Footballとしては「だからこそ、NCAAの全てのチーム、NAIAの全てのチームから推薦を受ける」ことで、あらゆるレベルのフットボーラーにとって、米国ナショナルチームへのpathが見える編成にしたわけで、制約とは言い切れない。自ら定めた方針という方が正しいだろう。
初のナショナルチームと言えども、国旗を背負った気持ちはヒシヒシと伝わってくる。ただし彼らは国際試合の経験どころか、いわゆる他流試合の経験が無い。そこが新卒者の集団として、どこまで耐えうるのか。つまり日本がいろいろ仕掛けるであろう戦術が、正確にヒットした際に、米国が持ちこたえるのかが、カギだと思う。
ここまでの二戦、日本は先制したことで勢いに乗り、守備も序盤にたたみかけたことで、相手の気勢を削いだ戦術が成功したと思う。米国に対して、仮に日本が追いかける展開になれば、それだけで厳しい。ましてスペシャルチーム(キッキングゲーム)で五分の試合をしなければ勝利の可能性は低いと思う。
私は「充分にチャンスはある」と思っている。

| | コメント (3) | トラックバック (1)

2007/07/13

決勝進出

明日の新聞に、どれくらい載るのか分からないけれど、阿部監督が試合後の記者会見で強調していたのは「過去、二連覇していると言われても、この日本代表は結成してから国際試合を経験していない。別のチーム。だからフランスと戦うまでは、正直、不安だらけだった。こうやってスウェーデン戦にも勝てたが、それらは、やはり三月から積み重ねてきた準備の成果だと思う」と。
狙うは三連覇ですね、米国に勝つんですね、と私自身も、多くのメディアの方々から言われたり、聞かれるが「そもそもフランスとスウェーデンに勝たないことには決勝に行けない」ということが、すっ飛ばされている感じがしていた。
99年は、国内での準備を担当しパレルモ(イタリア・シシリー島)には行かず、留守番部隊だった輿だが、2003年はフランクフルトに同行できた。どちらの大会でも決勝でメキシコに勝ち優勝したが、簡単な道のりではなかった。
今回、決勝に進出することで、正真正銘、米国にチャレンジするチャンスを与えられたことになる。選手たちは、思う存分に暴れてほしい。

| | コメント (2) | トラックバック (0)

2007/07/12

米国登場

本当の意味での米国ナショナルチームが初登場。対するは韓国代表で試合結果は77-0の圧勝。韓国はフットボールをさせてもらえなかった印象で、小雨もあって寂しかった。
一方で、米国チームは、四年間のエリジビリティを全うした選手ばかりのフレッシュな軍団で、気持ちが整っているというか、国旗を背負う覚悟を感じるというか、きびきびとした良いプレイが目立った。
明日12日は15時から、米国~ドイツ、19時から日本~スウェーデンと、いずれも、それぞれのブロックで負けていないチームのガチンコ対決。勝者が日曜15時10分からのの決勝@等々力陸上競技場に、敗者は土曜19時からの三位決定戦@川崎球場へ。
韓国戦では、手の内を見せることなく終わってしまった米国も、ドイツとの戦いでは、米国らしさが出てしまう筈。そういう盛り上がる試合になること必至。
もちろん、決勝進出を懸けて一戦必勝のJAPANの戦いも。
ただし、明日のチケットはAゾーン自由席も、立ち見自由席もSOLD OUT
天候は、夕方には回復しそうだが、二試合連続観戦はお得な日と思う。
明日の結果を受けて、ぜひ日曜、等々力陸上競技場へ!
これまでの試合の記録は、IFAFのサイト http://www.ifaf.info/ へ。PDFにて提供されている。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

JAPANヘルメット

今日の練習で、ふと思いついて、JAPANのヘルメットを撮影してきた。
おでこのスエットバンドのところにJAPANと入っているのに注目!下さいね。
Cimg1014r

もう一点は、関連性無いけれど「ワールドカップ用のパネル」です。
今年になって、どのスポーツでも、何かにつけてインタビュウでは、後ろにパネルが立ってますよね。JAPANのパネルは、公式サイト  http://wc2007.info/japan/ の選手やコーチの短いインタビュウの後ろに立っているので、気付かれた方も多いかと。(インタビュアーは、多くの場合、私です。練習終わって、別室で撮ってる感じ)
一方で、大会のパネルは、下記のようになっておりまして、JAPANのスポンサーには、F社は入っていないけれど、大会の特別協賛ということで、こちらのパネルには、堂々と入っております。

Cimg1013r_2 ゴルフの○○レディスとか、サッカーの○○○カップのようには、FUJITSU Presentsが「大会名との一体感」を出せていないのが、少し残念。でも、ワールドカップに、そんなカンムリが付いたら、それはそれで違和感あるかも。例えば「サムソン・カップ (第四回IFAFアメリカンフットボール・ワールドカップ・ソウル大会)」なんて感じだと。(韓国を代表する企業として、具体性を増すために、サムソンという社名を例として使わせて頂きました。他意はございません)

| | コメント (1) | トラックバック (0)

2007/07/09

韓国登場

ワールドカップ第二日、第二ブロックの第一戦は韓国vsドイツ。
四年前の第二回大会では、アジア・オセアニア予選として、日韓戦が大阪・長居で開催されたが、韓国は0-88で完敗。正直言って、まだまだ日本のフットボールとのレベル差があると感じた。
今回、オーストラリアが大会にエントリーし、日本は開催国として出場が確保されたため、韓国はオーストラリアで、つまりアウェイでアジア・オセアニア予選を戦う必要が生じた。アウェイで、それも大きなオーストラリア選手相手に、正直、心配だった。吉報今年1/27に届いた。見事な逆転勝利。今回の韓国チームの大きな違いは二点あると思う。
一つは、コーチ陣に多くの日本人が加わっていること。ヘッドコーチに大阪産業大監督の茨木氏を迎え、他に大阪学院大の高野ヘッドコーチ、アサヒ飲料チャレンジャーズの正重攻撃コーディネータ、立命館大パンサーズの大島守備コーチなどが加わっている。
二つ目は、在日三世の選手の参加だろう。この機会に、多くの在日韓国人三世で、日本の大学や社会人チームでフットボールしている選手が14名加わっている。母国語を話せない場合もあり、コミュニケーションに苦労する部分はあるようだが、この機会にカミングアウトし、またフットボールでの交流が進むことは素晴らしいと思う。
そしてこれらのトリガーに見事に反応した韓国在住選手たちの気持ち。
ドイツには昨日32-2で敗れたものの、体格差におびえることなく、常に全力でプレイし、最後までランナー、レシーバーを追い続けた。その強い気持ちはドイツ側の観客席に多く座った日本人の皆さんにも伝わったことと思う。韓国側スタンドには、サッカーのワールドカップで聞き覚えのある「テーハンミングッ」(大韓民国の韓国語読み)が、常に大きく響きわたった。韓国の二戦目は10日(火)19時からのvs米国。苦戦は必至だが、また強い気持ちを見てみたい。

| | コメント (0) | トラックバック (1)

2007/07/08

JAPAN快勝

昨夜の第一戦 vs フランスはスコア上は快勝だったが、中味は、やはり反省すべき点が多くあるように見受けられた。これはサイドラインにいたから感じることで、詳しく記すことは出来ないけれど、阿部監督が試合直前にもハーフタイムにも強く仰っていた「一つ一つのプレイに集中し続ける」ことの難しさが、改めて分かった試合とも言える。
脇坂主将は記者会見での質問に対して「体格差はそれほど感じなかった」と述べていたけれど、それでも選手のカラダにダメージは多く、12日のスウェーデン戦までに、どのくらい癒えるか、も重要なポイント。もっとも、今回のスウェーデン・チームが狙っていることは、2005年にスウェーデンがドイツを欧州選手権で破ったビデオ(IFAFのレギュレーションで交換が義務づけられている)からは推測しか出来ず、10日のフランス~スウェーデン戦を待たねばならない。逆に言えば、その試合から12日までの、まさに「中一日」の準備次第となるだろう。
なお、昨夜のBSの中継は黒氏アナ、決勝戦は鈴木アナという情報、というよりも、本人たちから聞いたハナシ、がある。一緒にNFLを中継する間柄が、今回は、ある意味で実況される側にいるのはフシギな感じ。でも中継を制作しているエクスプレス社は、日頃からNFL中継を手伝って下さっている会社で、これまた顔見知りが多く、安心してお任せ(?)できる。
朝日・読売・毎日・産経・神奈川・ジャパンタイムズ・デイリーヨミウリなどに、カラー写真付きで掲載頂き、朝から新聞を買い漁って当該ページを抜き出して、選手に見せていた。ただただありがたい報道。

| | コメント (2) | トラックバック (1)

2007/07/07

ワールドカップのボール

今回のワールドカップでは、これまでの「IFAFルール、つまりNCAAルールに準じたボールであれば、自チームのボール使用可」であったが、第三回にもなったワールドカップは、一段上のクォリティで運営したいというIFAFの強い意向から、ウィルソンと提携して、IFAF F1050というボールを設定し、「大会ボール」と定めた。Cimg0969r Cimg0968r

Cimg0970r_1ウィルソンはNFLのボールのサプライヤとして有名で、F1000というモデルが永年用いられてきたが、今は、新コミッショナー、ロジャー・グッデルの署名が入った別名The DukeというF1100が用いられている。

IFAF F1005は名前の通り、NFL F1000やF1100に近いボールだが、レースが皮製ではなく、コンポジット(合成皮革)で、ツブツブが付いている点が大きな違い。国内のXリーグでは、Xリーグがウィルソンと作ったボールが公認されていて、そのレースと同じスタイルとなる。Cimg0978r Cimg0976r

一般的にNFLのボールは「太い」感触があり、おまけに皮のレースは低いため、日頃、Xリーグのボール(細身でツブツブレース)を使っている選手には、違和感があり、特に梅雨時の試合での雨天(今年のスーパーボウルを思い出して下さい!)では、皮のレースがヌルヌルすることも怖かったが、ツブツブレースで少しは救われるだろう。
手が小さいアジア人にとって、ボールの感触は重要な問題。
IFAFがボールを設定すると決まった時点で、国内で調達可能なNFL F1000(今は廃番)、F1100を調達して、感触の違いに慣れてきた。
今日のTechnical Meetingでは、意外なことに(手の大きな)ドイツチームから「IFAF F1050はNFLボールに比べてレースが異なり、細身なので感覚が違う」と繊細なコメントがあった。

| | コメント (1) | トラックバック (0)

« 2007年6月 | トップページ | 2007年8月 »