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2008/03/23

U19の日米対決

GE U-19 グローバルチャレンジボウル2008川崎大会に行ってきました。
昨年までは、スーパーボウルウィークに同じ町の高校スタジアムなどで、グローバルジュニア
チャンピオンシップ(GJC)という大会が開催され、Q毎に対戦相手(国)を変えるような変則的な試合ながらも、多くの参加国があった大会で、当初は関東の学生が、近年は関西も交えた参加がありました。
NFLのサポートも受けていたこの大会は、IFAF(国際連盟)のジュニア・ワールドカップの準備
(私の認識では、GJCがIFAFのジュニアWCに衣替えするのではないかと)期間ということもあり、GJCは中止。前年の大晦日に19歳になっていることが条件のこの大会、条件を満たす時期は、ごく僅かですから、一年でも大会が無いと悲しい出来事がおきます。
ということもあってか、U19の日米対決が実現。
日本は高校生が数名入るものの、残りは大学一年生。
対する米国は全て高校生でした。
試合は24-14で日本が勝ちましたが、日本が米国に勝つとか、相手がどうのということよりも、この時期(世代)に日の丸を背負い海外のチームと試合をすることが、とても大切な経験になると思います。
大会関係者の皆さま、お疲れさまでした。
晴天にも恵まれ、良い試合を見せてもらいました。
一人、重篤な負傷を米国選手が負ったように見えましたが、大事に至らないと良いのですが。
http://americanfootball.jp/gcb2008/

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2008/03/18

私のBrett

スーパーボウル後、ごぶさたしてしまいました。
おまけに、やっぱり、というかBrett Favreが引退。こういう時は必ず来るものですが。
すでに発売中のアメリカンフットボール・マガジン(スーパーボウル特集号)に、Brettについて原稿を書きました。編集長とのやりとりで「脱稿時点では決まっていないのですから」と言われて「来年もプレイしてよ、Brett」という口調で終わりましたが、出来るならば「追想」を書きたいところです。
今日は、この雑誌に寄稿した原稿そのものをアップさせてもらいます。

97年シーズン以来のスーパーボウル出場は寸前で果たせなかった。NFL17年目を迎え、マッカーシーHCの新しいシステムでは二年目の今シーズン、ブレット・ファーヴはまさに蘇った。だが及ばなかった。

パス成功数では既にリーグ史上一位であったが、今季、マリーノを抜きTD数、獲得ヤード、試投数でも史上一位となり、NFL史上ナンバー1パサーと言って良い地位にたどり着いた。QBとしての勝利数もエルウェイを今シーズン抜き去った。

これだけの記録を樹立しても届かなかったのは、あと一つの勝利だ。最後に笑うことが出来る、たった一つのチームの一員にはなれなかった。

ここ数年、ファーヴは好調とは言えなかった。2005年はシャーマンHCの最後の年、TD/INTの比率は20/29。24個の被サック、4以上のINTを食らった試合が二つでチームはわずか4勝止まり。

2006年、新HCマッカーシーは「とにかく早く投げ込め」戦術をファーヴにインストールした。ファーヴにアタマ(判断力)とカラダ(クイックリリース)が未だ備わっていることを見込んでのシステムだ。TD/INTは18/18まで改善され手応えを得た。そして今季、リーグ一若いロスターが溌剌とプレイし、特にWRジェニングス、WRジェイムスというペアが、本来のエースWRドライヴァーに加えて台頭し、ラン・アフター・キャッチも含めて今季の40ヤード以上のパスは16本と生涯最高。我々がシーズン中に目にした光景そのものだ。そして被サックは生涯二番目に少ない15にまで減った。ディビジョナル・プレイオフ、かつてスーパーボウルに導いてくれた「師匠」ホルムグレンが率いるシーホークスとの試合。試合開始早々のRBグラントが喫した二つのファンブルロストからの14点のビハインド。臆することなく、自陣31ヤード地点からRBグラントの4ヤードラン一つを挾み、残りの65ヤードを4本のパスでTDに仕上げた時、そのリズムに今シーズンのファーヴの勢いが凝縮されて見えた。結果、今シーズン最高のパス成功率を記録して「恩返し」をしてみせた。

NFL17年、連続スターターはプレイオフを含めて275試合とNFL記録を更新し80年代以降で最もタフな選手となった。数々の打撲、捻挫、試合毎の負傷者リスト登場は言うに及ばず、2003年10月には利き腕である右手の親指を骨折。このときばかりは、と誰もが思ったが幸いにバイウィーク明けのヴァインキング戦では3TDパスで勝利。まさに神がかりだった。

スターターとしての16年の間、プレイオフ11回、地区優勝7回、NFCチャンピオンシップ出場4回と「勝てる」QBであり続け、苦境にあってもチームを逆転勝利に導く達人でもある。唯一の三度のMVP受賞にも拘らず、スーパーボウルの優勝は一度だけ。QBとしての数々の輝かしい記録も、我々の頭の中にプレイ振りの記憶もタップリ残っているのに。だからこそ、フットボールはむずかしい。面白い。

ファーヴがどうして好かれるのか?私個人を含めて彼のファンの多くは日本でも米国でも彼とは話したこともない。それでも、米国内のスポーツファンの間では圧倒的な人気を誇る。上に述べたように「負傷に強く何よりタフ」「逆境でも勝てる」選手であることに加えて、日頃からハードワークを怠らない、立ち居振る舞いが気取らず飾り気が無く素朴、辛抱強く物事を諦めない、リスクをとることを厭わずにチャレンジし続ける(=時々、どデカい失敗をする!)、などが、アメリカンフットボールというスポーツの本質そのものを体現しているからかもしれない。

私が魅力的に感じる彼のプレイは「意外性」に尽きる。それが何度も続くので「繰り返される意外性」と矛盾する表現を使ったこともある。対戦相手は、あの手この手でQBにブレッシャーをかけてくる。QBを仕留めることは守備の勲章だ。しかし、そのプレッシャーをかいくぐり、追いかけ回されても逃げまくり、最後にはパスを決めてしまう。あるいは自ら走ってファーストダウンを獲得してしまう。追い詰めた守備には痛い結果であり、ゲインされたヤード以上の精神的ダメージがある。そして我々は拍手喝采だ。前述のシーホークス戦、パスラッシュから逃げ、降り積もった雪につまずき、よろめきながらもTEリーに決めたプレイが象徴的だ。NFLの中で他に誰があのようなプレイを出来るだろうか。決してカッコ良くは無い。それでも「やっちまう」のだ。そこにまた我々は愛するファーヴを観ることになる。

さて来シーズン、ファーヴはプレイするだろうか?チームメイトの誰もが同じ思いだが、代表してバックアップQBで友人でもあるナールは「そりゃあ戻って来てほしいさ。でもね、彼が辞めると言うのなら、その決断は誰も責めないよ。スゴイことをこれまでなし遂げて来たんだから」と。

チャンピオンシップで試合を決めてしまった、あのインターセプション一つで、感情的に彼の人生は決められるべきではない。もっと大きな視野で、高い視点で、これまでのNFL人生を振り返り「自分はやり尽くしたか。もう出来ないか」と自分に問いかけていることだろう。

肉体的にプレイ出来ることは証明された。判断力も大丈夫だ。本稿執筆の時点では、ファーヴの決断は聞こえてきていない。が、私はファーヴが、再びロッカーに、フィールドに戻ってくることを願っている。ファーヴには勝って終わってほしいから。あのパスをまだまだ観たいから。

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