Saints at 49ersに感謝を込めて
一つ一つの試合を克明に覚えているかと言われると自信がないのですが、自分が生中継を担当した試合で、あれほどの「最後まで分からない」試合は初めてではないかと思います。
戦前の予想は、さまざまでしたね。曰く
「セインツはアウェイで弱い」(統計的なものもあるでしょうけれど、ああいう精度が重視されるオフェンスだと、足元が人工芝ではなく、天候の影響を受けやすい、この時期の西海岸は雨も降るかもしれない場では、不利に働くかもしれないと考えていました)
「QBスミスでは要所でパスを決められない」(ホントにダメなQBならば、放出されていたかもしれないけれど、ドラフト時の評価からすると実績を積めていないのは事実。
それでも攻撃マインドのHCはターナー以来、そしてNFLのQB経験者という意味ではスミスの良いメンターになっていたかも)
「ペイトンHCは、アウェイでのプレイオフに勝ったことがない」(これはまあ、統計好きな米国流。でもシーホークスに負けたのは、皆さんも覚えていらっしゃるショッキングな出来事)
「QBスミスは、実はブリッツに対処できるヤツ」(こういう記録も現地は書いていました。ブリッツが来た時のQBパスレーティングは、ロジャース、ブレイディに次いで堂々の三位)
などなど。
基本的構図は「攻撃的チームと守備的チームの対決。そのチームカラーはきわめて明確」だと。
試合は守備戦と呼んでよかったのか、前半終わりから3Qあたりは、かなり渋い(しぶーい、と言うのが良いかも)展開で、なかなか解説もしんどかったです。
ただし、得点はタイトな展開になってくると、残り時間と得点能力が気になりますね。飛び道具を持つセインツが「結局は、バンバン!と点を入れて終わってしまうのだろうな。その機会を狙っているのかも」とさえ眺めていました。(その前提となるランは出ていなかったにしても、パスONLYでもなんとかできそうなオフェンスです)
ずっと劣勢だったセインツが、スプロールズが、するすると抜けてTD。セインツ24-ナイナーズ23。
次のナイナーズの攻撃、TEデイヴィスのパスのタッチなどは、すでにQBスミスは、ノッていましたね。極めつけは3rd&8 on 28からのQBラン。ホントに「ゼッタイ無さそうなプレイ」をコールしました。2ptを失敗したこともありましたが、時間2分11秒と、残し過ぎたことが心配。
果せるかな、あっと言う間にセインツがTEグレアムへのパスでTD。2ptも上手に決めて3点差とそつがない。ただし、この攻撃も、グレアムへのパスで、簡単にTDできてしまったことで、残り時間1分37秒。それでもFGは入れないことには負けてしまうナイナーズは、それなりのプレッシャーだった筈。
それだけに、最後のシリーズは、デイヴィスへのTDもさることながら、ホントに気持ちが乗り移った攻撃でしたね。
強い気持ち、残り時間のコントロール、飛び道具の素晴らしさと怖さ、守備のヒットの強さ、いろいろな要素が盛り込まれた、素晴らしい試合でした。
解説者冥利に尽きると言わせて頂きます。
さて、残るはチャンピオンシップとスーパーボウル、楽しみですね。
ところでデイヴィスのTD、本人はThe Grabと言ってたような気がしますが、ナイナーズ的にはThe Catch III
なんでしょうか。
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